皆さんは宅建試験の『解く順番』と『時間配分』について考えたことはありますか?
2時間で50問だから、1問2分ちょっとの計算だよね。
問1から順番に解いてるよ~!
ちょっとまった!
『解く順番』と『時間配分』をあまり深く考えずに解いてしまうと、
- 時間が足りなかった
- 慌てて解いたから見直しできなかった!
- 実力を発揮できなかった…
なんてことにもなりかねません。
ということで今回は、宅建試験の解く順番と時間配分について私の体験談をもとに解説していきたいと思います。
本試験はもちろん、模試を解く際にも役立つ考え方なのでぜひ参考にしてみてくださいね!
結論から言うと以下のとおりです。
- 1問=2分で一括りにするのはNG。分野ごとに配分を変えるのが吉
- 問1から解く必要はない。オススメは業法or5問免除から
- 見直しなどの時間も考慮してペース配分を決めよう
時間配分と順序を決める上で知っておくべきポイント
まず初めに、宅建試験の試験時間を確認しておきましょう。
一般受験生 | 5問免除生 | |
---|---|---|
試験時間 | 2時間(120分) | 1時間50分(110分) |
開始時刻~終了時刻 | 13時~15時 | 13時10分~15時 |
一般受験生と5問免除生では10分ほど試験時間が違いますが、終了時間はどちらも15時までで統一されています。
時間配分と順番を決める前に、まずは宅建の試験問題を解く上であらかじめ知っておくべきポイントを確認しておきましょう。
分野によって難易度に差がある
宅建試験では50問(5問免除は45問)出題されますが、すべての問題が同じような難易度というわけではありません。
1問1分もかからないような分野もあれば、3分程度かけてじっくり考慮して解かなければならない分野もあります。
つまり、分野ごとに時間配分を設定する必要があるのです。
問1から絶対解くというルールはない
毎年、宅建試験の構成は以下のようになっています。
分野名 | 問題の順番 |
---|---|
権利関係 | 問1~問14 |
法令上の制限 | 問15~問22 |
税その他 | 問23~問25 |
宅建業法 | 問26~問45 |
5問免除 | 問46~問50 |
問1から解こうとすると権利関係からスタートすることになりますが、実はこれが落とし穴。
特に初学者や法律が苦手な人は要注意です。
なぜなら、権利関係は問題の文字数がかなり多く、解くのにかなり時間がかかる分野だから。
宅建試験では1問目から判決文が出されたこともあり、最初から時間を消費してペースが崩れてしまった受験生もかなり多く見受けられました。
どの試験にも言えることですが、最初のスタートがかなり肝心です。ここで良いスタートを切れるかどうかで合否が決まる、と言っても過言ではありません。
なので最初は比較的簡単な問題が多い宅建業法や5問免除科目から解くことをオススメします。
知っている問題を見ると緊張もやわらぎますし、その後も落ち着いて問題を解くことができるようになりますよ。
マークシート記入等の時間も考慮すべき
宅建試験はマークシート方式なので、1問ごとに該当の箇所をマークで塗りつぶしていく必要があります。
マークシートは1問ずつ丁寧に記入していくタイプの人もいれば、最後に一気に50問分記入していくタイプの人もいますが、どちらにせよ50問塗りつぶすのには時間がかかります。
また、試験を解き終わったら見直しする時間も欠かせません。緊張と動揺で思わぬマークミスをしていたり、読み間違いをしていることが多々あるからです。
そのため、時間配分を考えるときはマークシート記入と見直しの時間を考慮した上で計算する必要があります。
オススメの時間配分
それではさっそく、上記を踏まえた上でオススメの時間配分を解説していきます。
これは私が実際に受験したときのペース配分を見てもらったほうが早いので以下をごらんください。
私が実践していたペース配分 |
権利関係(14問) | 1問あたり約3分(全部で40分程度) |
法令上の制限・税・その他(11問) | 1問あたり約2分(全部で20分程度) |
宅建業法(20問) | 1問あたり1分30秒(全部で30分程度) |
免除科目(5問) | 1問あたり1分30秒(全部で7分程度) |
業法や免除科目は基礎的な問題が多いので2分もかからずに答えに辿りつくことが多いです。
逆に権利関係は、実際に絵を書かないとイメージが沸かない問題があったり、そもそも文章が長すぎたり(判例問題)など、とにかく一筋縄ではいきません。悩む時間が増えるため1問あたりの時間も増加します。
そのため、イメージとしては業法や免除科目で時間を節約し、余った時間を権利関係に使うと良いでしょう。
業法は2分もかからないと先ほど述べましたが、報酬計算は例外です。2分じゃ到底足りません。
かといって業法は大きな得点源なので捨てるわけにもいきません。多少時間がかかっても報酬計算は丁寧に解くようにしましょう。
法令制限の建ぺい率計算も同様です。
オススメの解く順番
時間配分について分かったところで、次は問題を解く順番についてです。
SNS等で受験生を見ていると、以下の3パターンに分かれていました。
1.業法からスタート
①宅建業法→②5問免除→③法令上の制限・税・その他→④権利関係
2. 5問免除からスタート
①5問免除→②宅建業法→③法令上の制限・税・その他→④権利関係
3.権利関係からスタート
①権利関係→②法令上の制限・税・その他→③宅建業法→④5問免除
私のオススメは1か2のパターンです。
権利関係はとにかく時間がかかるので、最初から解いてしまうとペースが崩れてしまい実力を発揮しにくくなってしまいます。
逆に言えば、試験開始直後の緊張を解くという意味でも最初は宅建業法や5問免除科目などの比較的点を取りやすい分野から解き始めると良いでしょう。
では実際に、私が本試験で解いていた順番を解説していきます。あくまでも一つの例として参考にしていただければ幸いです。
▼私が実際に本試験で解いた順番
それぞれ理由を解説していきます。
① 5問免除科目
まずは『統計』が含まれている5問免除から解き始めました。
これは、試験直前に覚えた数字をすぐ書き写すためです。
というのも、統計は丸暗記で得点を狙える超ラッキー分野。
試験開始前に統計の数字を確認して、試験開始の合図があったらすぐに解くようにしていました。
② 宅建業法
業法は5分野の中で1番量が多く、1番得点しやすい分野です。
しっかり勉強できていれば比較的スムーズに解くことができます。
宅建業法を序盤に解く理由は、見慣れた問題が多く試験の波に乗りやすいから。
見たことがある問題の安心感ってすごい!
ただ、報酬の計算は時間がかかります。
かといって業法は得点源なので落とすわけにはいきません。多少時間をかけてでもじっくり計算して解くようにしていました。
③ 法令上の制限・税・その他
業法よりも難しく、権利関係よりも点を狙いやすい法令上の制限等についてはこのタイミングで解きました。
ここではたまに奇問難問が出題されるため、訳の分からない問題は時間をかけずにスルーしちゃいましょう。
大丈夫です、そんな問題は他の受験生も解けません。
分からない問題に何分もかけるより、確実に分かる問題で点を落とさないことの方がよっぽど大事です。これだけは常に頭に入れておいてください。
④ 権利関係
そして最後にラスボス!権利関係です。
先ほどもお伝えしたように、権利関係は実際に絵を書いてみないとイメージしにくい問題や文章が長い判例問題など、やっかいな問題が多く出題されます。
私は権利関係の問題を見るとアレルギーを起こしそうになるんですが、それまでの問題で時間を稼げていたので試験本番は落ち着いて解くことができました。
権利関係はとにかく図を書きましょう!
甲乙丙が出てきたら身近な人でイメージする!
問題数も宅建業法の次に多い(14問)ので、基礎的な問題だけでも必ず正解して点を稼ぎたい分野でもあります。
焦らず落ち着いて解くように心がけましょう。
⑤ マークシートに記入・見直し
解き終わったら最後にマークシートに記入し、見直しをしました。
見直しは雑にしないこと!宅建はひっかけ問題も多く出題されるため、見落としがないかしっかりチェックしましょう。
残り1秒までとにかく問題とにらめっこです。時間ギリギリで大きなミスに気づくこともあるので油断大敵!
時間はだいたい10分~20分程度は確保できるのが理想です。
時間配分+解く順番を合わせたモデルケース
最後に、私が実践していた時間配分と解く順番をまとめてみました。
①5問免除 | 13時00分~13時10分(10分) |
②宅建業法 | 13時10分~13時40分(30分) |
③法令上の制限・税・その他 | 13時40分~14時00分(20分) |
⑤権利関係 | 14時00分~14時40分(40分) |
マークシート記入・見直し | 14時40分~15時00分(20分) |
よくある質問
まとめ
ここまで宅建試験で解く順番と時間配分について解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- 1問=2分で一括りにするのはNG。分野ごとに配分を変えるのが吉
- 問1から解く必要はない。オススメは業法or5問免除から
- 見直しなどの時間も考慮してペース配分を決めよう
宅建はたった2時間で合否が決まる一発勝負です。その限られた時間の中でできるだけ多く正解しなければなりません。
となれば闇雲に解き進めず、自分がベストを尽くせる方法で解いていきたいところです。
試験本番でいきなり実践しようとしても難しいので、まずは模試等で『自分に合ったペース配分』を見つけていってくださいね。
ほなまた!