”宅建”と言えば不動産系資格の中でも特に人気の資格ですが、実は『一生食いっぱぐれない』資格だとも言われています。
食いっぱぐれない=生計が立てられて安定した収入を得ることができるという意味
しかし、そんな風に言われても
- 宅建を持っているだけでどうして食いっぱぐれないの?
- 安泰なのは不動産業界に入ったときだけでしょ?
と疑問に思う方も多いはず。
実際、『宅建なんてオワコン』『宅建なんて役に立たない』なんて言う人もいますからね。意見も真っ二つに分かれているわけです。
そこで今回は、宅建資格を持っていれば食いっぱぐれないというのは本当なのか?そう言われている理由は何なのか?について解説していきます。
結論から言うと、宅建士の資格を持っていれば食いっぱぐれないというのは本当です。
しかし、資格を盾にしてあぐらをかいてしまっては安定した生活を送ることはできません。
どういうこと?と不思議に思った方はぜひ最後までご覧ください。
宅建士が食いっぱぐれないと言われている4つの理由
まず結論をお伝えすると、宅建士が食いっぱぐれないと言われている理由は以下の4つです。
- 宅建士の求人募集が絶えない
- 不動産業界以外でも重宝されている
- いざとなれば独立もできる
- 副業で収入をより増やすこともできる
それではひとつずつ詳しく解説していきます。
①宅建士の求人募集が絶えない
宅建士が食いっぱぐれない理由1つ目は宅建士の求人募集が絶えないから。
というのも、不動産業界の求人数は多い傾向にあり、人手が足りていない会社も少なくありません。
さらに宅建士の需要はもっと高く、資格を持っていれば転職・就職活動で有利になります。
なぜ宅建士の需要が高いのかというと、以下の理由が背景にあるからです。
- 不動産業の場合、ひとつの事務所において5人につき1人以上の専任宅建士を設置することが義務付けられており、基準に満たないと営業できないから
- 宅建士にしかできない独占業務があるから
- 合格率はそこまで高くないため(15%前後)、持っている人がまだまだ少ないから
このような理由から、宅建士は不動産業界において欠かすことができない存在なのです。
宅建士がいるからこそ会社が成り立っているとも言えますね。
私自身、宅建を取る前から転職エージェントサイトに登録していましたが、資格取得前と取得後では取得後のほうが2~3倍ほどスカウトの数が増えました。
超ド田舎なので不動産会社なんかほとんどないと思っていましたが、
宅建取得後は県外からもお声がかかり、本当にニーズが高い資格なんだと実感しました。
参考 宅建の難易度は?難化したって本当?近年の合格率や筆者の受験経験をもとに徹底解説!
②不動産業界以外でも重宝されている
宅建士が食いっぱぐれない理由2つ目は不動産業界以外でも重宝されているから。
宅建というと不動産業界のイメージが強いですが、宅建資格のニーズが高いのは不動産業界だけではないのです。
例えば以下のような業種でも重宝されています。
- 金融業界
- 建設業界
- その他一般企業
金融業界
金融業界は、不動産業界の次に宅建士のニーズがある業界です。
金融業では不動産を担保にして融資を行うことが多くなってきました。その際に宅建の知識がないと融資をするかどうかの適切な判断ができないため、宅建士が必要とされています。
建設業界
建設業界でも宅建士は重宝されています。
特に大手企業となると、自社で建築するだけでなく完成した物件を販売するケースも多いです。自社物件を販売する際は宅建業の免許が必要になるため、建設業界でも宅建士の資格は必要とされています。
ちなみに宅建試験の受験生を職業別に見ると、不動産業界の次に多いのは建設業界の方となっています(その他業種・学生・主婦を除く)。
参考 RETIO 令和 2 年度宅地建物取引士資格試験の結果 について
その他一般企業
流通業や小売業など、不動産以外の一般企業でも宅建士が採用されています。
例えば出店計画を練る際にも宅建の知識は重宝されますし、企業が不動産資産を保有している場合には、その資産を取引したり運用する際にも宅建の知識は欠かせません。
***
このように、宅建士は不動産業界以外でも高いニーズを持っています。
転職活動でいい不動産会社が見つからなかったとしても、業種の幅を広げることで自分に合った会社を見つけることができ、安定した生活を送ることができるというわけです。
③いざとなれば独立もできる
宅建士が食いっぱぐれない理由3つ目は、いざとなれば会社に縛らず独立・開業できるから。
不動産会社に限った話ではありませんが、上司からのパワハラや仕事の失敗などで心身ともに疲れきって退職してしまう人が後を絶ちません。
厚生労働省のデータを見ても、約6割の人は仕事で強いストレスを抱えているようです。
参考 厚生労働省 仕事や職業生活における不安やストレスに関する事項
でも宅建を持っていれば、会社に頼らず生計を立てていくことができます。
もしパワハラや仕事の失敗で『もう会社を辞めてしまいたい』『会社勤めはもうできない、やりたくない』と思ってしまっても、宅建士の資格があれば自分で不動産業を立ち上げることができるのです。
ちなみに不動産業を開業するには1人以上の宅建士が必要になります。
宅建を持っていない人が開業する場合は他の宅建士に協力をお願いしなくてはならないため、なかなかハードルが高いですよね。
しかし自分が宅建士であれば知り合いにお願いする必要もないため、あなた一人で独立・開業することができます。
このように、会社員としてだけではなく、いざとなれば独立して経営して食べていけるのも宅建士のメリットと言えるでしょう。
④副業で収入をより増やすこともできる
『子どもが生まれたので今の収入でやっていけるか不安』『感染症の影響で本業の収入が減少してしまったけど転職する気力はない…』
このようなときでも、宅建資格を持っていれば『副業』という形で収入をより増やすことができます。
宅建士の副業としては、以下のような仕事があります。
- 独占業務の代行(週末宅建士)
- Webライター
- 宅建講師・家庭教師・宅建YouTuber
週末宅建士
宅建を活かした副業の1つ目は週末宅建士です。正式名称ではありませんが、仕事内容や働き方のスタイルからそのように言われています。
週末宅建士の仕事内容としては、平日は本業の仕事をこなし、休みの日だけ別の会社で宅建士の独占業務を行うというもの。
先ほどもお伝えしたように宅建士の人手は足りていません。そこで、人手不足の会社に出向き重要事項の説明などの業務を行うのです。
ちなみに、会社に直接出向くのではなくリモートで不動産賃貸業管理や重説を行う仕事もあります。
Webライター
完全在宅の仕事であれば、Webライターもオススメです。
内容は宅建試験に関するものはもちろん、不動産業界や不動産投資など多岐にわたります。
いきなり文章を書くのは難しいようにも感じますが、未経験でもOKという会社も多いので手軽に始めやすい副業の一つです。
私も実は宅建資格を活かしてWebライターをやっています。1歳の小さい子どもがいるので、在宅でできるWebライターのお仕事は非常にありがたいですね。
以前は1文字0.2~0.5円でお給料も雀の涙でしたが、このブログの実績もあって今では1文字1~2円にまで上がりました。
3,000文字だと3,000円~6,000円ほどになりますが、だいたい3時間程度で書き終わるので時給もそこそこいいと思います。
宅建講師・家庭教師・宅建YouTuber
宅建試験の勉強で培った知識をフルで活かすなら講師という仕事もオススメです。
講師というと予備校の教壇に立って生徒に指導する方を思い浮かべる方も多いと思いますが、現代ならYouTubeで収益を得ながら解説している方も多いです。
特に宅建は超人気資格なのでYouTubeの需要も高いですね。
収益化には条件がありますが、条件を達成して成功すれば青天井に年収が跳ね上がるため夢のある仕事でもあります。
***
なお、週末宅建士(リモート)やWebライターに関してはクラウドワークスでよく募集が出ています。住んでいる場所は関係なくどこでも仕事ができるので、在宅で不動産に関わる仕事をしてみたい!という方には特にオススメ。
現に私もクラウドワークスでWebライターのお仕事を頂いています。
宅建は食いっぱぐれないが、過信するのはNG
ここまで宅建資格が食いっぱぐれない理由について詳しく解説してきましたが、宅建を取ったからといって過信するのはNGです。
なぜかというと、理由はこちら。
- 不動産業界なら営業力も必要
- 資格を持っているだけでは食べていけない
不動産業界なら営業力も必要
不動産業界は実力主義の世界。つまり契約数が多い人や売上成績が高い人のほうが評価されやすい業界です。
極端な話ですが、宅建を持っている営業成績1万円の営業マンと、宅建を持っていない営業成績100万の営業マンでは後者のほうが評価されてしまいます。
実際、友人の会社でこんなことがありました。
宅建を新卒のうちに取って周りから褒めちぎられていたAさん。
しかし仕事はまるでダメで、成績もまったく上がりません。お客さんと良好なコミュニケーションを取ろうともしなかったそうです。お客さんからみれば悪徳不動産ですよね。
ある日、Aさんは宅建を持っているからという理由で店長に立候補しましたが、結局は宅建を持っていない営業成績の良い後輩が店長になってしまったそうです。
不動産業界の営業で食っていくならば、宅建資格だけを武器にするのはやめて、営業スキルやコミュニケーションスキルなど、幅広いビジネススキルを磨いていかなければなりません。
逆に、営業が苦手という方は不動産管理や事務という働き方もあります。自分に合った働き方を見つけることが大切です。
資格を持っているだけでは食べていけない
当然ですが、宅建に合格したからといって自分から何もアクションを起こさなければお金は入ってきません。
食いっぱぐれないためにも、合格後は転職サイトに登録したり副業にチャレンジしてみたりするなど、新たな一歩を踏み出してみましょう。
宅建取得後に不動産業界に転職を目指す場合は以下のエージェントに登録しておくのがオススメです。
宅建JOBエージェントは棚田行政書士がYouTubeでオープニングに宣伝されているので名前を聞いたことがある方も多いはず。
未公開求人がとても多いので、とりあえず登録するだけでもいいと思います。
宅建試験に合格するためには
宅建士になれば食いっぱぐれないことはわかったけど、宅建試験って難しそう。合格するのは夢のまた夢かも。
ここまで読んで、そのように諦めそうになった方もいると思います。
確かに、宅建試験は合格率15%前後なので簡単に合格できる試験ではありません。
でも大丈夫。宅建試験は計画を立ててコツコツと勉強を進めていけば誰でも合格レベルの実力を身につけられる試験です。
私自身、不動産業界未経験で法学部卒でもありませんでしたが宅建試験に独学2ヶ月で合格しています。
独学で合格するための流れについては以下の記事で解説しているので、独学で受験しようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
参考 宅建に独学で一発合格するための完全ロードマップ!勉強法や勉強時間は?
.
ただし、以下のような方々は通信講座を検討してみることをオススメします。
- 独学で宅建試験に不合格だった人(リベンジ組)
- 初学者で長期間の勉強を継続できる自信がない人
- 忙しく勉強時間がなかなか確保できない人
独学がナビなしの一般道路なら通信講座は最新ナビつきの高速道路。
スクールが何年、何十年もかけて積み重ねてきた『合格ノウハウ』をもとに、最短ルートで無駄なく勉強できるため、合格までの難易度が一気に下がります。
私自身、宅建合格後にいくつか通信講座を受講して比較してみましたが、特にフォーサイト・アガルート・スタディングは初学者の方にオススメの講座です。
ランキング記事とレビュー記事はこちら。
参考 宅建のおすすめ通信講座ランキング【人気23社を徹底比較】
参考 【2024年版】スタディング宅建士講座を実際に受講してレビュー&口コミも掲載!
参考 【口コミ・評判】フォーサイト宅建士講座を合格者が受講してみた感想
まとめ:宅建士は食いっぱぐれないと言われている理由
今回は宅建士が食いっぱぐれないと言われている理由について4つ解説しました。
再度まとめると以下のとおりです。
- 宅建士の求人募集が絶えない
- 不動産業界以外でも重宝されている
- いざとなれば独立もできる
- 副業で収入をより増やすこともできる
ただし、過信するのNG。資格を取ったからといって行動しなければ当然何も変わりません。また、不動営業職に就くのなら営業力も必要です。
とは言え、宅建資格は一度合格すれば一生有効な資格です。取ってしまえば人生を大きく変えられる『武器』が一つ手に入るのと同じこと。
これを読んでいるあなたも、ぜひ宅建取得を目指して頑張ってみませんか?
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ほなまた!